日傘には「完全遮光」という表示がなされていることがあります。これは、使用されている生地が目に見える光を完全にカットする、という意味です。日傘には「遮光率」といって光を遮る割合を示す数値がありますが、これは大きく3段階に分かれています。99.40％～99.80％未満は3級、99.80％～99.99％未満が2級、そして99.99％以上が1級、という具合です。

このうち1級に該当するものに「完全遮光」という表示が付いていることが多くなっています。では、そうした表示があれば光は完全に遮られるのでしょうか。実は、デザインによっては必ずしもそうとは限らない場合もあります。例えば女性向けのものなどで刺繍やレースといったデザインが施されているものがありますが、その場合はそうしても生地に厚い部分と薄い部分とができてしまうため、薄い部分から光が入ってきてしまうこともあります。

とはいえ、使用されている生地自体の性能はあくまで1級なので、決して性能が悪いというわけではありません。また、もう一つ注意しなくてはならないのは、これはあくまで可視光を遮るということであって、紫外線をカットするということではありません。もちろんかなりの部分紫外線もカットしますが、重要なのは日傘をさすことによって日光が遮られ涼しくなる、という点です。日焼けを防ぐことも意識したいというのであれば、遮光率だけではなくUVカット率にも注目して選びたいところです。